五行学説(五行色体)②

前回は木火土金水の相生・相剋について勉強しました。下の表は、木・火・土・金・水それぞれの特性についてまとめたものです。例えば五行の「木」の季節の特性(五季)は春、味の特性(五味)は酸味、臓器(五臓)は肝臓、、というふうに見ていきます。この表を「五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)」といいます。

例えば五季、五味、五臓、これを前回の図に落とし込むと、

こうなります。

は肝臓を傷めやすい季節で、適度な酸味を摂りを養生します。

は心臓を傷めやすい季節で、適度な苦味を摂りを養生します。という考え方になります。

日常の食事においても五味をバランス良く「適度」な量を体に摂り入れることで相生関係により各臓器がグルグル順調に働き体調が良い状態を生み出します。

反対に「過度」になりすぎると相剋関係が発生します。

酸味を摂りすぎると肝が弱り、さらに胃の調子が悪くなります。辛味を摂りすぎると肺が痛み、肝臓の調子が悪くなります。たとえば酒は辛味に分類され、飲みすぎると肝臓を傷めて、そこから負の連鎖が発生してしまいます。この相剋を補う方法として二味・三味の法則という考え方があり、たとえばお酒を飲むときは、酸味の酢の物や梅干しを付け合わせに出すようにします。

また、酸味のお酢に相剋の甘みを足したのが甘酢で二味、さらに相剋の塩味(醤油)を足したのが三杯酢(三味)となり五臓を労わる最高の組み合わせになっていたり、昔から日本の食文化にも五行の考えが溶け込んでいるのが分かります。

この五行学は飛鳥時代に日本に伝わったとされ、日本の伝統文化にも見ることができます。

・年賀状の干支は陰陽五行。
・七五三も陰陽五行。
・相撲の四隅にさがっている房(青・赤・白・黒)(黄は土で土俵)。
・還暦の由来も陰陽五行(十干を木火土金水に分類し、十二支と組み合わせると5×12=60)
・土用のうなぎ
・曜日も陰陽五行(木火土金水+陰(月)陽(日))
・茶室の4畳半(木火土金水の風水学)
・こいのぼりの吹き流し(五色)
・太巻きの中の具材(五色)
・青春の文字(人生の春は青い)などなど、、

…次回へつづきます。