陰陽学説

春分は、1年を24等分した二十四節気のうちの1つで「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としています。昼と夜の長さがほぼ同じになる日でもあります。

また、春分は陰陽転化(いんようてんか)といって、陰と陽が入れ替わる日でもあります。1日で見ると昼間は陽に位置し、夜間は陰となります。春分を境に昼間の時間が長くなっていくので陰消陽長(いんしょうようちょう)となり、新たな循環期を迎えることとなります。

この概念を「陰陽学説」といいます。

すべての物事には表と裏があり、互いに依存して存在していることを言っています。昼と夜、男と女、日と月、明と暗、上と下、左と右、東と西、背と腹、前と後、、のように対立・対極の面が伺えます。しかし、どちらが欠けても存在できません。対立する両面を持ちながら統一されてバランスを保っています。

人間の呼吸で例えると、呼気は出すことであり「陽」、吸気は入れることであり「陰」。片方だけでは成り立ちません。呼気と吸気は互いに依存しあって存在しています。どちらかが不足したり、増大したりするとバランスが崩れます。自然界でも人間の体でもこのバランスを保ち存在している、という考えが陰陽学説になります。

以前、冬季オリンピックで羽生くんが陰陽師(おんみょうじ)の演目で見事金メダルに輝きましたが、この“陰陽師”は陰陽学説と五行学説に加え、天文学、暦学、易学、時計を含み占術・祈祷を行っていた日本独自の職でありました。安倍晴明(あべのせいめい)が有名ですね。

次回から五行学説について触れていきたいと思います。薬膳学を習得するにあたり必ずおさえておくべき理論です。なるべく分かりやすくかみ砕いてご説明いたしますので一緒に勉強していきましょう。